逆子の鍼灸

逆子の鍼灸

<逆子(骨盤位)での分娩について>

逆子の頻度は満期産で約3~5%と言われています。骨盤位分娩は頭位分娩に比べて
①分娩外傷(骨折・神経損傷)
②臍帯脱出→新生児仮死・死産
③分娩遷延による新生児仮死・死産 や周産期死亡のリスクが高く、予定帝王切開術が主流となる。
帝王切開術は、産科手術として非常にポピュラーなもので、手術に伴う危険性は決して高くはありませんが、一定の割合で合併症の可能性(出血・輸血・腸管損傷・腸閉塞・術後感染・肺塞栓症など)、美容上の問題、次回妊娠の際にも帝王切開分娩が必要ということが考えられます。

<骨盤位の矯正法>

①外回転術:エビデンスに基づき有効ですが、合併症のリスクもあるため我が国では賛否両論あります
②膝胸位指導
③鍼灸治療

<鍼灸治療の効果>

エビデンスが高いとまでは現在のところ言えませんが、次のような研究結果が出ています。
*鍼と灸を併用した治療群と無治療群と比較したところ、分娩時に逆子の割合が低いこと、帝王切開の割合が低いことが示されています。(Coyleらの2012,コクランシステマティックレビュー)
*灸治療群が、無治療群に比べ頭位への変換率が高いことが示されています。(Zhangら2013,システマティックレビュー)

参考文献:逆子の鍼灸治療 医歯薬出版株式会社 形井秀一著

<逆子鍼灸のメカニズム>

至陰のツボにお灸をすることで逆子が戻るのか、そのメカニズムは現在のところ明らかではありません。けれどもこれまでの研究から次のようなことが考えられます。
子宮動脈・臍帯動脈の血管抵抗指数(RI)が低下します。妊婦さんも①子宮の緊張が軽くなった②お腹や足が温かくなった③胎動が増えたとの印象評価が出ています。
子宮の緊張が緩む⇒子宮動脈・臍帯動脈の圧迫が軽減され血管抵抗指数(RI)が低下する⇒子宮が緩むこ⇒胎児も動きやすくなり胎動が増えるといったしくみです。
また、至陰にお灸をすることで血中のアドレナリンが増加し子宮筋の緊張低下を支持するのではないかと考えられています。

🌷当院での逆子治療

妊娠28週を過ぎ、逆子と診断されたら早めに治療を始めることをお勧めします。31週以前に治療を開始した方が頭位に戻りやすいとの研究結果もあります。
治療頻度は、週1~2回が目安となります。至陰のお灸や三陰交などのツボを中心にして体の調子も整えていきます。また、お腹が大きくなっているため、側臥位など楽な姿勢での治療を行います。
治療に加えてセルフケアのお灸の説明も致します。

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