更年期障害と鍼灸

更年期障害と鍼灸

<西洋医学的にみる更年期障害>

閉経前後の5年間を更年期と呼びます。日本人の閉経は平均50歳頃と言われています。女性ホルモンのエストロゲンが急激に減り、のぼせ・発汗・めまい・冷え性・動悸・イライラ・不安・うつなどをはじめ様々な症状に悩まされることがあります。このような症状が強くなり、日常生活に支障をきたすようになるのが更年期障害です。

更年期について動画で確認
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https://www.youtube.com/watch?v=zHuKeKq5FJY&t=16s

<更年期障害のメカニズム>

①内分泌的因子

女性ホルモンであるエストロゲンの低下が、視床下部の自律神経中枢に影響を及ぼし、不定愁訴(*)として現れます。
*不定愁訴とは・・・漠然とした体調不良などを訴えるが、精査しても原因が分からない状態のこと

②心理・性格・社会・文化因子

更年期というライフステージは、女性を取り巻く環境に多くの変化が起こります。子供の進学・就職・結婚により母親としての役割が終了し、家族構成の変化の時期であり、夫との関係や、親や友人との死別など孤独やストレスを抱えがちになります。働く女性にとっては、責任ある立場や地位にあるため、仕事のストレスが一層強くなります。こういった背景因子が不定愁訴の発症に深く関与しています。

<更年期の治療法>

・ホルモン補充療法         👉ここをクリック
・漢方薬治療            👉ここをクリック
・その他の薬物療法
・カウンセリング  
・生活習慣の改善   など

🌷当院の更年期の症状の治療

現代医学的治療として、患者様がつらいと感じている症状に対応したツボ(経穴)を選び、自律神経の調整筋緊張の緩和不眠・肩こり・頭痛・ホットフラッシュなど症状の改善を目指します。
東洋医学的には、更年期症状を腎(生命の源、生きるために必要なエネルギーをためる場所)の機能が落ちることから生じる腎の病証と捉えていきます。腎を中心として、症状に対応した肝・脾・任脈・督脈・衝脈といった経絡上のツボなどを選び、症状の改善をしていきます。

<更年期に対する鍼灸の研究>

・ChoらとDodinらの(ホットフラッシュについて)研究結果では、鍼灸治療は無治療群と比較して有効であるが、シャム鍼との比較、ホルモン療法などの他の療法との比較では、有効である可能性を示唆する論文も散見されるが、現時点では効果的とまでは言えません。

・更年期障害に伴う肩こりについて、八重樫らはホルモン置換療法(HRT)施工中で肩こりを強く訴え、パップ剤などが無効な難治性肩こり者に対して、筋弛緩薬と鍼治療の比較を行ったところ、鍼治療は筋弛緩剤よりも有効、かつ安全(副作用がない)であったと報告しました。

(参考文献:鍼灸臨床最新科学 メカニズムとエビデンス 川喜田健司 矢野正 編集 医歯薬出版株式会社 2020年)

<東洋医学的にみた更年期障害>

①腎陰虚による更年期障害
腎陰虚の症状として、めまい・耳鳴り・のぼせ・汗・手足のほてり・胸内の不安感・口の渇き・便秘・腰や膝の軟弱化などの症状が現れます。これが悪くなると、肝や心にも影響を及ぼし、怒りっぽくなったり、動悸・不眠・多夢などの心の症状も引き起こします。

②腎陽虚
腎陽虚の症状として、精神不振・寒がり・四肢の冷え・腰や膝の軟弱化が現れます。

東洋医学(鍼灸・漢方)の2000年以上前に書かれた書物に『黄帝内経(こうていだいけい)』があります。鍼灸医学は『黄帝内経』を基礎にしていると言ってもよく、それは21世紀の今でも同じです。その書物の中に、女性の体は7年周期で変化すると述べられています。

*7歳になると、腎気が活発になり始め、永久歯が生え始め、髪もふさふさに伸びる。
*14歳になると、腎気が成熟してきて、体が整い月経が始まり、子供を授かる能力が備わる。
*21歳になると、腎気が体のすみずみまで行き渡り、親知らずも生える。
*28歳になると、筋骨がしっかりして、髪の毛も豊かで、体がもっとも強壮になる。
*35歳になると、顔や髪の毛の色つやが衰え始める。
*42歳になると、顔に皺が増え、白髪が目立ち始める。
*49歳になると、血脈に血が少なくなり月経が止まり、子供を授かることができなくなる。

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おぉ。2000年前に書かれた書物に、現在の私たちの体の変化を的確に捉えていることには驚きを感じますね。

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