マタニティケア(腰痛)

マタニティケア(腰痛)

妊娠中のマイナートラブルは、妊娠の終了と共に軽快・消失します。妊娠中の様々な不快な症状は、一般的に母児に医学的には問題ないと言われていますが、このマイナートラブルが強いと日常生活に影響を与えてきます。日常生活が快適に過ごせないことで、妊娠・出産・育児を前向きにとらえられず、母性意識の確立の妨げにもなります。そうならないためにも、健康で快適な妊娠期の生活が必要です。
この妊娠期のマイナートラブルを東洋医学的にとらえると「腎の機能の低下」です。妊娠に関連する「腎」「肝」「脾」の経絡を鍼灸では整えていくことが大切だと考えます。

<妊娠中の腰痛>
妊娠による子宮の増大や体重による姿勢の変化・エストロゲンやリラキシンなどホルモンの影響で骨盤や腰椎の支持性が低下して恥骨や仙骨の関にずれることで痛みが起こります。下記のような工夫もしてみましょう。
・顎を引き背筋を伸ばして歩く
・シムス位で寝る
・荷物は片側だけでなく、両手に振り分けて持つ
・腰痛体操などで予防を行う
・固めの寝具で寝る
・腰部の保温に努める
・自分でツボをおしてみる:承山・委中・申脈

<妊娠中の腰痛に対するエビデンス>
形井らは、妊娠中の腰痛患者に下肢のツボに鍼灸治療を行い、55例中70.9%が有効以上であったことを確認している。
Helen Eldenhaは、骨盤の痛みのある妊婦に対して、27施設でRCTを行い、通常の治療群・鍼治療を加えた群・運動を加えた群の3群で妊娠中の腰痛に対する治療効果を比較し、鍼治療群が最も高い効果(有意差あり)があったと報告した。

参考文献:矢野忠 レディース鍼灸 医師薬出版 2018

参考文献:辻内敬子 出産準備教室 医師薬出版 
2016年

🌷当院の妊婦さんの腰痛治療
冷えのある方にはホットパックや遠赤外線を使用して保温や冷えの改善に努めます。
腰痛に効果のあると言われる下腿のツボを使っての治療を中心に行います。また、週数や妊娠経過・鍼への感受性を考慮し、必要時に局所の治療も行います。腰への治療と同時に腎気を養い妊婦さんの元気(原気)を満たしていく治療を行っていきます。痛みの強いときは、治療間隔を詰めて来院していただき、改善と共に治療間隔をあけていくことをお勧めします。

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